「東大系は、必ず、ダブルチェックしながら基本通りしようとするので、脳に負担がかかり、動体視力が低下してしまうので、東大の卓球部は全日本で活躍できないのですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。梅澤さんは、単なる東大系ではなくスーパー東大系なので、元々、動体視力は東大系より高いのですが、それでも、全日本に出場し続けるのは大変だったようです。」

「なるほど」と町会長。

「それを見ていた丸善スポーツの社長が、『卓球の試合は試合をする前から始まっている』と言ったのです。」

「梅澤さんは、それを鵜呑みにしたのですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。梅澤さんが丸善スポーツで働く前は、社長が頭がいいとは思っていなかったと思います。ところが、入社してみると、梅澤さんは5桁の足し算までしか暗算でできないのに、社長は10桁の足し算も暗算でできるし、10年前の取引も金額まで正確に覚えていることに気がついたのです。それだけではなく、社長は商売の仕方も神がかり的だということにも気がついたのです。」

「それで、梅澤さんは、丸善スポーツの社長に心酔してしまっているのですね」と町会長。

「おっしゃる通りです。電話の受け答えから、相手の真意がくみ取れないかのように話すところまで真似をしています。」

「社長は、相手の真意がくみ取れていないかのような、ポイントを外した話し方をするのですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。社長は、商人系なので、頭がいいとは思われたくないのです。」

「商人系は、頭がいいとは思われたくないのでしたね」と町会長。

「おっしゃる通りです。商売をする人は、抜け目がない人より、頭が悪い人と取引をしたいのです。」

「その方が利益が出ることが多いからですね」と町会長。

「おっしゃる通りです。梅澤さんは社長の真似をしてポイントを外そうとするのですが、試験で100点以外は取ったことがない人ですから、教養や頭のよさがにじみ出てしまうのです。」

「なるほど」と町会長。

「梅澤さんの真意を理解するうえで重要なのは、僕には絶対に負けたくないということです。梅澤さんは人生を卓球にかけて来たのです。僕はと言えば、英会話スクールを経営し、東洋医学も研究し、片手間に卓球をやっているわけです。」

「と言いますと?」と町会長。

「ですから、もし、僕に1セットでも取られれば、本人は自分が許せないだろうし、社長をはじめとする周囲の人たちも納得しません。それで、僕との対戦は、『卓球の試合は、試合をする前から始まっている』ということになるのです。」

「なるほど」と町会長。

2021/9/23

<猫後記10>
『使い物にならない』系のカスタマーレビューの中に電気関係の専門家と推定される投稿者からの書き込みがあったことを覚えていたので、再度読み直してみた。

レビューには『人間の可聴域の上限がおおよそ20kHz。キーンと耳障りな音が個人差もあるが、だいたい14,15kHzくらい。この製品だと「BIRD」と表示されている付近。犬、猫に有効とされる周波数は22kHz以上と言われる。超音波スピーカーの入力の波形をオシロスコープで測定すると、14,15kHzより上の周波数では振幅が極端に下がり、「INSECTS(昆虫)」ではほぼ振幅がゼロになる。つまり、周波数を高くすればするほど、音が小さくなる。中身も分解したが、AGCなどのゲインコントロールなど一切なく、ちゃちい代物。ゴミ以外の何物でもない』と書かれていた。

そして、電気の専門家と思われる人のレビューの中の『周波数を高くすればするほど、音が小さくなる』というのがポイントではないかと思った。

2024/9/9